展示紹介
限定公開・新発見「小浜・発心寺所蔵の駕籠」開催
「雲水の寒修行」で良く知られる小浜市の発心寺は、現在本堂の解体修理が進んでいますが、昨年末この工事に際して一挺の駕籠が発見されました。この駕籠は、豪華な婚礼用の女乗物に比べ、極めて無骨・質素な造りです。しかし、「惣網代・溜塗」仕様で「黒漆塗の担棒」が付くことから、徳川将軍専用で、家康の駕籠を除けば、現存する唯一の将軍駕籠です。
さて、若狭国小浜に将軍の駕籠が入る事例は一回きりです。寛永11年(1634)8月の小浜藩初代藩主・酒井忠勝の初入国のときの記録から、この駕籠は三代将軍・家光の駕籠であることがわかりました。この駕籠は忠勝の若狭入国後、江戸へは戻らず小浜城中に留め置かれました。
その後幕末の公武合体に際して、万延元年(1860)に京都守護職・酒井忠義の宮中参内にも使われましたが、再び小浜へ戻され、藩解体とともに明治3年(1870)に民間へ売却、購入者によって寺へ奉納されました。昭和9年の「藩祖忠勝就封300年祭」にも出品されましたが、その後伝承は失われていたようです。
今回、希少な将軍の駕籠の出現、京都での再利用など、小浜藩と幕末150年の歴史を紹介するため、下記のとおり夏休み期間に合わせて特別公開をいたします。
概要
展示期間 | 2018年8月 1日(水) 0:00 ~ 2018年9月 9日(日) |
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展示場所 | 2階 企画展示室 |
料金 | 常設展示入館料でご覧いただけます |
開館時間 | 午前9時~午後5時(最終入館:午後4時30分) ※会期中の休館日はありません |