イベント紹介

ウンチの化石から明らかになった縄文人の腸内環境

~古代人糞石のメタゲノム解析~

開催期間
未定

 数千年前に日本列島に住んでいた縄文人の腸内環境がどのような特徴を持っていたのかはわかっていませんでした。

 本研究では、縄文時代のウンチの化石(糞石)4検体から取得した古代DNAを用い、日本で初めてメタゲノム解析を実施しました。メタゲノム解析で得られた大規模なDNAデータの分析により、腸内に存在したと推定される細菌やウイルスに由来するゲノム配列が見出されました。この解析結果は縄文人の腸内環境の特徴を反映するものと考えられます。
 今後、縄文人の他の糞石検体について同様の解析を行い、細菌やウイルスを特定することで、縄文時代から現代にかけての腸内細菌やウイルスの進化、および縄文人腸内環境の詳細な特徴を明らかにする予定です。

 本研究は、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の西村瑠佳 (総合研究大学院大学遺伝学専攻大学院生) と井ノ上逸朗特任教授、東京大学大学院理学系研究科の太田博樹教授、福井県立若狭歴史博物館の鯵本眞友美文化財調査員らの共同研究グループによって実施されました。

 本研究は、JSPS科学研究費22KJ1416特別研究員奨励費、22F22075特別研究員奨励費、21H05362学術変革領域、21K19289挑戦的研究(萌芽)、20H01370基盤研究(B)、20K21405挑戦的研究(萌芽)、17H03738基盤研究(B)、AMEDの課題番号JP23ek0109650h0001、ROIS未来投資型プロジェクトによって支援されました。

 本研究成果は、国際科学雑誌「PLOS ONE」に2024年1月25日(日本時間)に掲載されます。

 プレスリリース資料

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論文タイトル:

Metagenomic analyses of 7000 to 5500 years old coprolites excavated from the Torihama shell-mound site in the Japanese archipelago(日本列島の鳥浜貝塚から発掘された70005500年前の糞石のメタゲノム解析)

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著者:

Luca Nishimura, Akio Tanino, Mayumi Ajimoto, Takafumi Katsumura, Motoyuki Ogawa, Kae Koganebuchi, Daisuke Waku, Masahiko Kumagai, Ryota Sugimoto, Hirofumi Nakaoka, Hiroki Oota, Ituro Inoue(⻄村瑠佳、谷野彰勇、鯵本眞友美、勝村啓史、小川元之、小金渕佳江、和久大介、熊谷真彦、杉本⻯太、中岡博史、太田博樹、井ノ上逸朗)

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論文URL:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0295924

          

関係リンク

国立遺伝学研究所HP  https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2024/01/research-highlights_ja/pr20240125.html

東京大学HP(日本語)  Press Releases - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部 (u-tokyo.ac.jp)

      (英語版)  https://apps.adm.s.u-tokyo.ac.jp/WEB_info2/p/p/en/10179/kFBL23TM/

総合研究大学院大学HP  https://www.soken.ac.jp/news/2023/20240125.html

          

 三方湖の近くにある鳥浜貝塚からは、これまでに2800点の縄文時代前期(約6000年前)の糞石(ウンチの化石)が見つかっています。鳥浜貝塚の糞石は若狭歴史博物館の常設展示室でご覧になれます。

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